美容皮膚科で用いられる施術「クール・スカルプティング」について、特徴や仕組み、期待できる効果をまとめました。クール・スカルプティングのリスクもまとめていますので、検討の参考にしてみてください。
クール・スカルプティングとは、水分と脂肪凝固温度の違いを利用して皮膚内の脂肪だけを凍らせて脂肪細胞を破壊する技術を用いた、部分的に皮下脂肪を減らしたいといったダイエットの悩みに対応する施術です。
破壊された脂肪は自然に代謝されて体外に排泄されるため、脂肪細胞の数を減らせます。
クール・スカルプティングは、脂肪細胞が他の組織よりも低温に弱いという性質を利用した施術です。「脂肪がついている状態」とは、脂肪細胞の中に脂肪が貯蔵されていることを指しますが、凍結により結晶化された脂肪細胞は、細胞の自然死であるアポトーシスに誘導されて脂肪細胞の中の脂肪とともにゆっくりと排出されます(貪食作用)。
この理論を利用したのがクール・スカルプティングです。脂肪を適正な条件下で凍結することによって、皮膚や血管、神経など水分を含む周囲の組織を損傷せずに脂肪細胞だけを死滅させることができます。
治療部位の脂肪が確実に減少するため、目に見える痩身効果を実感できます。実感できる効果には個人差がありますが、早くて3週間後には治療効果があらわれはじめ、効果のピークとされる2~3か月後には痩身効果を感じられます。治療した部位は脂肪細胞の数そのものが減少するため、脂肪がつきにくくなる、つまりリバウンドを抑えられます。
クール・スカルプティングは、部分痩せのニーズが高い「太もも」や「二の腕」などの部位はもちろん、さまざまな部位に適応可能です。部位に合わせてアプリケーターの大きさを変えられるため、運動やダイエットで減少させることが難しかった部位にも適応できます。
クール・スカルプティングは、2009年にカナダとEUで承認された後、2010年にアメリカでFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を取得しました。FDAとは、日本で言う厚生労働省にあたるアメリカの政府機関で、医学的見地から脂肪減少効果と安全性が立証されたことを示します。
クール・スカルプティングは、肌内部の脂肪細胞だけを凍らせて破壊する施術です。アプリケーターで皮膚を冷やす必要があるため、その影響を受ける可能性があります。
冷却の作用によって、施術部位にチクチクした痛みや数日間にわたる赤み、筋肉痛のような違和感が生じる場合があります。急激な冷却に体が反応してしまい、一時的にめまいやしびれを生じた例も報告されています。1週間ほどで軽減する一過性のものですが、副作用として施術した部位に色素沈着や内出血が起こる可能性があります。
また、脂肪細胞が代謝されて体外に排出されるまでに時間がかかるため、即効性のある施術ではありません。効果があらわれはじめるのは早くて3週間、効果のピークを迎える2~3か月かかるでしょう。